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クジラとともに生きる 太地町の鯨骨鳥居(えびす神社)


和歌山県の太地町といえば古式捕鯨発祥の地としても有名な鯨の町。
この町の捕鯨の歴史は17世紀初頭まで遡り、現在までその伝統は脈々と受け継がれております。そんな太地町には鯨の骨を使った鳥居があるのです、鯨の町ならではですね。


鯨骨鳥居があるのは町内のえびす神社。
事代主神を祭神とする小さな神社です。事代主神は恵比寿様と同一視されることも多く、古くから漁業の神として漁民の間で強い信仰があるそうです。
そんな漁業の神を祀る恵比寿神社の入り口にあるのが鯨の骨でできた鳥居。
現在のものは実は3代目で2019年(平成31年)4月に太地町漁業協同組合により建立されたもの。もともとは1985年(昭和60年)にセミクジラの顎骨で建てられたのが始まりで、老朽化により1996年(平成8年)に2代目の鳥居(マッコウグジラの顎骨)に建て替えられたそうです。


現在の鳥居は高さ3.5m、イワシ鯨の顎骨を使用しており、骨の周りをFRPで覆いその上から特殊塗料で強化しているとか。
初代が1985年と書きましたが、実は井原西鶴の「日本永代蔵(1688年)」にて「泰地に高さ3丈の鯨胴骨で作られた鳥井」があると書かれているのでもしかしたら本当の初代は400年近く前のものかもしれませんね。
えびす神社の鯨骨鳥居はこの話に着想を得て、当時の情景を想像して再現したものだそうです。


ご神体?

ちなみに太地町は2018年に同じく捕鯨の町として知られるフェロー諸島のクラクスヴィーク(Klaksvík)と姉妹都市になりました。
元フェロー諸島観光振興協会サンチャウン支部長としてはこれは外せない情報です。
さぁ太地の次はフェロー諸島へ行こう!いえい。



えびす神社の鯨骨鳥居
Address : 和歌山県東牟婁郡太地町太地3267
駐車場:無

2021年2月訪問



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